Team Kyosho (ひろさか) 活動レポート


 活動レポート NO−10

 2007/10/19〜22日  シンンガポールにて練習&テスト

 ここしばらくの間ニコラスは重要な試験の為に海外には行けず、打ち合わせ
 程度だったが、ようやく試験も終わり、活動再開となった。
 今回は久々にシンガポールのホームコースにてテストを行うが私の日程等の
 都合で実質2日間しかなく、短期決戦となる。これまでもニコラスは自宅練習
 は欠かさずに続けていたという、その成果が見られるか? 楽しみ...

 10月19日(金)
 朝5時に自宅を出発、飛行機は11時だが6時までに東京を通過しなければ
 渋滞にはまり何時に成田に到着するか?判らない為に成田でゆっくりと休む
 つもりで早く出発。以前も同じ頃の飛行機で遅く出発した為に危うく乗り遅
 れそうになった苦い経験がある。

 今回は出発まで6時間もある為に余裕でゆっくりと走行する。都内に入ると
 早くも渋滞が始まり、約20分のロスタイム、まあこのあたりは想定内、都内を
 抜け京葉道へ入るといきなり渋滞案内、しかも事故! これはやばい、船橋
 料金所の手前でストップ動かない、ナビの案内では事故渋滞2km約10分
 しかし少し経つと通過に40分...すぐ近くだが今事故が起こったばかりの様
 しばらくすると、パトカー救急車、そして消防車が横を通り過ぎて行く。
 かなり大きな事故か? 時間が掛からなければ良いが、もう高速を降りる事も
 出来ない。ただ祈るだけ...少しづつだが車は動いているので通行止めには
 なっていない様だ。最初は時間に十分余裕があるから問題無いと思っていたが
 10分、20分と経過するとだんだんと不安になって来た。少しづつ動き始め
 料金所を過ぎると、赤色灯が見えて来た。何とかここを通過すれば大丈夫。
 ここまで約40分、見ると大して大きな事故では無いが、5台位の玉突き衝突
 の様だ。何とか渋滞を抜け成田へ急ぐ、時間も何とか大丈夫そう。

 結局成田の着いたのは9時30分4時間半の道のりとなってしまった。
 もう少し遅く出発していたら、たぶん乗り遅れただろう。

 今回は、シンガポールへは直行では無く、香港で乗り換えとなった。
 いつもバッテリーを荷物に入れている時は搭乗口で呼び出しされ、中をチェック
 される事が多い為に早めにゲートへ行く。今回は呼び出しは無かった。

 無事飛行機が出発し一路香港へ。座席に着き直ぐに熟睡、離陸の記憶は
 無い、食事の匂いで目が覚めた。おなかが空いたのであまり美味しくない食事
 を平らげ又熟睡、今度は着陸の振動でお目覚め。4時間のフライトだが実感
 は30分位。

 ここで約1時間の待ちで乗り換えシンガポールへ、ゲートで待っていると呼び出し
 があった。やっぱり荷物のバッテリーか? と思ってカウンターへ行くと、すみません
 この飛行機は満席で席を変わって頂けませんか? と...いいですよ、どこでも
 椅子があれば、渡された新しいチケットをみると座席は14C、これはひょっと
 すると久しぶりの幸運かな? 案の定これはビジネスクラス、ラッキー!
 
 Mr、ヒロサカ と名前を呼んでくれるのが嬉しい。約4時間のフライトで1時間
 半位かけて食事をする。大きなシートでゆっくりとくつろげるが何故か眠れない。
 やはり貧乏性なのかな?

 シンガポールへ着いたのは夜8時、ニコラス親子の出迎えを得て食事に行く。
 今回は良い食事だった為にあまりお腹が空いていないが、皆は食事を待って
 いてくれた為にお付き合い。ホテルについたのは10時過ぎ今日は全くの移動
 だけに終わった。

 簡単に明日の打ち合わせをして、おやすみ! 明日は8時45分ホテルを出発

 10月20日(土)
 7時起床、窓から外を見ると雨! これはちょっとまずい今日は整備デー
 かな? 8時45分ホテルへお迎えが来る、これから朝食を取ってコースへ
 向う、皆は何事も無いように朝食を取る。雨は? 大丈夫直ぐに止むから...
 コースへ着くと殆ど雨は止み、日がさして来た。このぶんだと準備をしている
 間に コースは乾くだろう。日が照れば1時間程で走行可能となる、この
 あたりは良いところだ。準備をしているとすでにもう走行をさせている人がいる。

 今回は、セッティングというより前回に続き走行練習を主にしよう。私は練習
 用として操縦の難しいワンウエイ仕様の車を用意して行った。まずはニコラスの
 愛用車から始めよう。ニコラスは車はかなりガタが来ていますと車を見せる。
 見てびっくり、なんとワンウエイが付いている。どうしたの? こちらの方が練習に
 なると思いワンウエイを付けました。OKいい心がけだ、でもこれは相当程度が
 悪いね、デフはガタガタ、ジョイントもピンの部分が減って左右のタイヤを回転
 させると、1cm位の遊びがある。これでうまく走るの? まあまあ良く走って
 います。じゃあこれから始めよう、そしてすこしづつ車を直して行こう。

 コースのレイアウトが少し変更になっている。このレイアウト走行させた事は
 あるの? 初めてです。以前はストレートから外周を回ってインフィールドへ
 入るレイアウトだったが今回はストレートからシケインとなる。これはワンウエイ
 では非常に難しいコースだ。 練習にはとても良い、たぶんニコラスは苦労を
 するだろう。

 昼になりコースも乾きそろそろ走行を開始しよう。今日は土曜日の為、多くの
 人が走行をさせている。車はミニがありF−1や1/12も走行している。
 初心者と思える人達も多くいる。ツーリングカーモディファイを走行させて
 いるのはニコラスのみ、当然スピードはケタ違いこれらを抜いて行くのも非常に
 難しく良い練習となる。これだけジャンルの違う車が同居してトラブルも無く
 皆仲良く走行させられるのも、非常に良いところだ。

 まずは走行開始、車の状態を考えると非常に良く走る、全く問題は無い。
 ただやはりストレートエンドは急減速が必要な為、上手く走行出来ない。
 スプールだと直前までフルスピードで急減速して小さく曲がるが、これだとスピン
 してしまう。走行後ニコラスは車はどうですか? うん車は非常に良く走って
 いると思う、全く問題は無いよ、今日はストレートエンドを徹底的に練習しよう
 このコースだとたぶんスプールの方が速いと思うが、練習なのでワンウエイで行こう

 ワンウエイは急減速してコーナーを曲がるのは大変難しい。まずラインから変え
 ないといけない、そしてブレーキも一度にかけるのでは無く段階的にかけて
 行かないといけない。ラインを図に描いて説明する。ではやってみよう。

 練習開始、全くなっていない、 それはスプールのライン! ストレーレートから
 直線的にコーナーを狙う、これでは車が耐えられない。ストレートの間に減速
 して大きなアールでコーナーを曲がらなければダメ!
 そして進入はもっと外から...難しいです! だから練習が必要だ。

 一回づつコースを指示しながら走行を続ける。少しづつ様になって来たが、
 どうも私のイメージとは違う、コースを狙うとスピードが遅く、スピードが速いと
 オーバーランで次のシケインが曲がれない。そしてここに気を取られる為か
 他のコーナーが上手く走行できなかったり、他車との接触も多く見られる。
 もっと全体に注意をして、すべてトータルで考えないといけない。

 数パックの走行の後、ちょっと一休みをして車を整備しよう、セッティングは
 良さそうだが各部のガタでかなり直進性も悪く、車の限界も低いように感じる。
 ニコラスは1時間の休憩、その間に私はすべてを整備する。

 車をほぼ完バラにして点検、駆動系のデフ、ジョイント等をすべて新品に交換
 これで少しは落ち着いた走行が出来るだろう。 しかし暑い! 手元の温度計
 では35度を超えている。

 走行再開、気分転換となったのか? 時々良い走行が見え出した。
 ラップタイムも少しづつ良くなって来た。走行後今の良かったラップ分かる?
 はい、何度か良い周がありました。OKその感覚を良く覚えてそれを続ける様に
 する事、一度感じをつかめるとそれを続ければ良いのだが、なかなか上手く
 行かない。しかし回を重ねる毎に良い周回が増えて来た。ラップタイムも
 どんどんと上がって行き、最初の頃より一周で1秒近く短縮している。

 夕方近くになり、気温も少し下がり路面のグリップも良くなり、タイムもどんどん
 と更新して行く、こうなると少し面白さが出てきてドライバーものってくる。
 いい傾向だ。

 6時過ぎ、今日は先日の世界選手権でFFEMCAのレフリーを務めた、
 Mr.Rimと皆で食事の約束でコースまできて頂いた、最後の1パック今日の
 締めくくり、気合を入れて走行...非常に良い走りで今日のベストの記録を
 マークして気持ちよく終了。

 練習後、皆で食事をしニコラスは明日もあり疲れているので、早々に帰宅、
 私はRim氏ファミリーの案内で、夜景の見える丘、チャイナタウン等案内して
 頂き、自宅まで訪問、
 
 十数年前にシンガポールでの世界選手権でお世話になった、Sam氏の所へ
 よってみようという事になった。もう夜11時を過ぎたのにSam氏は明日から
 台湾へレースの為に出発の準備、大きなショッピングセンターの中に立派な
 ショップを構えている。Hobby Link というお店。
 久しぶりの再会を喜び合い、古い写真等もみせて貰った。

 この頃は私も若かった。そういえばこの時は私もエキジビションレースに参加
 したのだ。リーディ氏やノバック氏達と決勝前に選手の車を使ってレースを
 した為に選手はヒヤヒヤものだった(笑)。これはSam氏のアイデェアだった
 そうだ。優勝はノバック氏、私は2位だったのを良く覚えている。レース後
 ノバック氏が先陣を切り皆で服のままプールに飛び込んではしゃいだものだった。

 昔話に花が咲き、忙しいSam氏の手を止めてしまった為に早々に退散し
 ホテルも戻ったのが12時過ぎ、ちょっと疲れた...


 何故かここへ来るといつも雨...でもすぐに乾く


 レイアウト変更 長いストレートの後にシケイン


 私のピット、あまり美しく無い。


 シンガポールのシンボル、マーライオン 夜景の見える丘にて。


 Rim氏とSam氏と昔話に花が咲く...



 10月21日(日)
 昨夜はカミナリと共に凄い雨、大丈夫かな?と思っていたが朝にはすっかりと
 あがり快晴。道はまだ濡れているが問題はないだろう。
 今日は日曜日の為コースオープンが昼からとなる。日本と違って日曜日は
 人も少ない。

 9時にホテルを出発し、例によって近くで朝食を済ませコースへ向う、すでに
 数名の人達がきて準備をしている。コースはまだ水溜りがあるが走行させて
 いる人もいる、(これはミニ)。我々も準備を始めるが、まだ電源が入らない。
 オーナーが来ない。バッテリーの充電が出来ない為にしばらくは待機。

 この間にニコラスとパーツの点検や次回の打ち合わせ等を行う。今回は日程
 が取れず、2日間のみの練習となるが、次回はレースか練習でもっと日にちを
 取るようにしよう。ニコラスは試験が終わった為に十分に休みがある様だ。

 オーナーが来てピットの電源が入る、充電をして走行を開始。昨夜の豪雨の
 せいか、路面のグリップも少し低い様に感じる。路面グリップが下がるとワン
 ウエイでは走行は難しくなる、昨日に比べかなりラップも遅く走行させるのが
 辛そう、時にはコーナーでスピンをしてしまう。

 ちょっと辛そうなので、ここでタイヤを新品にして見よう。昨日からもうかなり走り
 込んでいる為に、かなりダメージを受けている。新品タイヤだと少しましになる
 だろう。ニコラスはタイヤ作りを始める。その間に私は軽く車を点検する。
 リアーグリップをもう少し上げたい。ダンパーを点検するとかなりプレッシャーが
 落ちている。これでリアのグリップが低くなったのかも知れない。
 
 ただ、今オイルを交換するとタイヤの変更と同時になる為に、どちらの結果が
 でたのか? 判らなくなる為に、次回はタイヤの交換のみとする。

 タイヤを交換して走行再開、少しアンダーとなり幾分マシになったが、これは
 新品タイヤを使用した時にいつも現れる傾向で依然リアーグリップの不足は
 改善されていない。相変わらず走行しづらそう、ストレートでもかなり蛇行する。
 危ない! と思った瞬間ストレートの外壁の石のガードに全速で激突...
 タイヤやパーツが散乱し、マシンは大破。
 これは一見してかなりの部分にダメージを受けた事がわかった。

 ニコラスは、”すみません!” いいよ、丁度メンテをしなければいけない時期
 だったのかも知れないね。

 車を見ると左全部にかなりのダメージがある、アームが折れ衝撃でサーボ
 ケースまで破損している。しかし良く点検すると、差ほど大きな破損は無い
 破損箇所は、アームとサーボケースのみの様だ、しかし...一番いたいのは
 ホイールが変形してタイヤが使用出来なくなった事、タイヤは価格も高い。
 まだ殆ど新品なのに...

 車の各部を点検しながら修理をする、見た目より簡単、この際だからダンパー
 も調整しよう、オイルもきれいだから交換せずにもう少しプレッシャーが掛かる
 様に追加をする。サーボはスペアカーのものを使用する。
 30分程で車は修理完了。

 走行を再開する。リアグリップも少し上がった様だが、まだ全体的にはグリップ
 が不足の様に感じる。たぶん路面が昨日とは変わっているのだろう。
 ラップタイムも昨日より0.5秒位遅い、ニコラスの走りにも精彩が無い。
 結構ミスも多く、他車との接触もある。あまり体調も良くなさそうだ。

 暫くの間は特に何もせず、そのまま走行を続けコーナーの進入のみの練習を
 続ける。
 たぶん今日はこの調子ではあまり良い成果は出ないだろう。
 もうそろそろ日没も近づき終盤となって来た、ここで少し車のセットを変えて
 みたい。

 見た目にはもう少し曲がった方が良いと思う、そこでリアのスタビを1.2mm
 から0.8mmに交換、これは少しリアグリップを上げる。
 そしてフロントダンパー位置を一つ外側にセットした。

 走行させると、やはり前後ともグリップが少しあがり、タイムも少し上がるように
 なった。

 そろそろ終了としようか? 最後の一回、レースのつもりで気合を入れて走れ。
 もう殆ど他車も居なくなり、結構良い走りを見せ今日でのベストを記録して
 練習を終了。

 修了後、ニコラスはすまなさそうに、今日は良い走りが出来なくてすみません!
 いいよ、RCはメンタルなスポーツだから、心身共に良いコンディションでなければ
 良い結果が出せないよ。また次はもっと頑張ろう。

 今夜は兼ねてより言っていた、メガネを探しに行こう。ニコラスが使用している
 メガネは余りにも小さすぎて視野が狭いのでは? と私は思っていた。

 夕食後、ショッピングセンターへ行きメガネ店を見てびっくり、どこの店のメガネ
 も小さい! 大きな視野の広いメガネは殆ど無い。店員に横が良く見える
 メガネは無いですか? とたずねると、メガネは正面しか焦点が合わず、
 横は良く見えませんよ。こりゃダメだ。どこか他のところで探してみよう。
 これはちょっと宿題にする。

 明日は朝一番の飛行機で香港へ行かなければならない。朝5時半にお父さん
 がホテルへ迎えに来てくれる。

 来月はオーストリアのレースに参加するつもりだったが、レースの開催が中止と
 なった様子で、何か他のところを探してみよう。

 ではまた来月に...

 協力
 RACE CRAFT INFINITY
 www.racecraft.com
 
 後日談
 その後香港から中国へ渡り、中国で地下鉄に乗ったときの事。
 かなり混み合った車内、乗車するといきなり前に座っていた青年が席を立ち
 どうぞ? と席を譲ってくれた。帰りにはまた直ぐに今後は学生らしき若い女性
 中国人は身勝手でマナーが悪い、並ばない...等と言われている。
 確かにその様な面はしばしばみられるが、年寄りや弱者をいたわる精神は
 非常に進んでいると思う。日本では今や殆ど見られない光景かも知れない。

 私は非常に嬉しい気持ちと同時に、まだまだ自分は若い...と思っていたのに
 もう席を譲って貰う歳になったのか? とある意味ショックを受けた。

 
 日曜日は人も少ない。


 このシケインがこのコースのカギ?


 お客さんに説明する、ショップオーナー 大変親切です。


 ショップは大きくないが、商品は多い。


 真剣に操縦するニコラス君。


 走行が終わればちゃんと掃除をしよう。


 おつかれさまでした!


 サイドミラーが大変面白い。香港、中国でも良く見かける。