Team Kyosho (ひろさか) 活動レポート
活動レポート NO−5
2007/03/10 ニコラス選手 来日 (スノーラリー参加)
またまた、やってしまったミステイク、3月8日、明日はニコラスが来日、朝7時に
成田到着予定、時間を確かめようと送られて来たスケジュールを確認する。
あれ?? これはちょっと変...9日出発となっている。と言う事は?到着は
10日? 直ぐに確認のメール。やはり来日は10日。これは私の大きな勘違い
ちょっとやばい! 10日は斑尾高原にてスノーラリーの参加予定。
当初は9日に来日して、どこかで1泊して、朝一番に長野へ向う予定をして
いたが大きく予定変更。
10日朝3時起床、そして成田空港へ...通いなれた道、朝の空港は、殆ど
人影もまばら。掲示板にて飛行機は無事到着、果たして無事通関して来る
だろうか? 15歳の少年の初めての海外一人旅、両親も心配しているので、
事前に日本語で書いた招待状を持たせてある。
でも無用な心配だった。7時40分無事笑顔でゲートから出てきた。
しかしカッコはTシャツ...おいおい日本は寒いで言っただろ? はいジャケット
は持って来てます。
OK、じゃ直ぐに出発! どこへ? 350km先の山の上。 ??
一気に突っ走るぞ。予定ではお昼過ぎに到着。しか〜し、関越は事故渋滞、
一区間で2時間以上の表示、これはまずいと一般道へ...これまた渋滞。
結局1時間以上のロスタイム、高速をおり山へ向うどんどんと標高が上がるに
つけ、山の上の方に雪が見える。ニコラスは興味津々でカメラを向ける。
かなりの上り坂、今年は暖冬で雪が無くて良かった。雪があれば私の車では
行けないだろう。
結局到着したのは3時前、すでに参加選手達も集まりコース整備が完了し
これから練習走行が始まる所という。 ?? そういえばレースは6時から
とい聞いていた。なんでこの寒いのに夜にレースをするの? この私の素朴な
疑問は、後にはっきりと理解する事が出来た。
ちょうど良い所へ来た、車の準備も出来たので早速試運転をしてみたら、と
大高オーナー。ニコラスはゲスト参加と言う事で、我々にはマシンの準備も
無い為に、一式をオーナーが彼の為に用意をしてくれた。
早速やらせてもらいます。ところでニコラス、寒くないか? Tシャツにジャケトで
大丈夫です。暖かいです。 甘いね〜まだまだ君は...
とにかく一度走らせて見よう。操縦台は反対側、雪の上を歩くのは初めて、
スリップしてよろよろとしている。皆で操縦台までたどり着けるのか、大笑い。
生まれて始めての体験、雪上R/C、皆が注目する。恐る恐るマシンを操る。
見ていると、悪いけど全くなってない。最初はニコニコとしていたが、だんだんと
マジ顔になってくるが、車はスピン、パイロンと喧嘩、やはりビギナー...
約10分位の練習、突然車がストップ、お〜い車から煙が....
モーターに負担を掛け過ぎ、オーバーヒート。スタンドから降りてきたニコラスは
寒いです。手が動きません。だから言っただろ、オーナーがスキーウエアーを用意
してくれている。寒さをなめたらだめだよ。しかしそんな問題じゃない。
感想は? 難しいです、全くコントロールが効かない。そらそうだよ、雪はすべる
ものだよ。どうしたらいいですか? って言われても私には良く分からない。
まあ、そんなに深刻にならなくても、気軽に皆さんと楽しめばいいよ。
でも、僕はいつもベストを尽くしたいです。 分かっているよ、でも今回は私は
車の事は何も分からないし、手助けは出来ない。でも一つ私からのアドバイス
としては、君の走りは全くのレーシングの走りでコーナーではインを狙い最短距離
で走ろうとしている、これはどちらかと云うとオフロードに近い、そしてジャンプも
ある。オフでは無理をしてインを狙わずに少し余裕を持つ事、そして路面を良く
観察する事、特にこのコースは場所によりすべる所とグリップする場所がある。
一度滑ったらその場所は通らない、また路面が雪なのでマーシャルの動きが
非常に遅い、一度クラッシュすれば大きなタイムロスとなる。絶対にノーミス、
これが条件。 分かりました、トライしてみます。 でも寒いですね〜。
もう練習は出来ないのですか? そうみたいね、後はレースで...
どんな方式でレースをするのですか? さあ〜??ちょっと聞いてくるよ。
レースは、予選、決勝方式では無く、ステージ 1,2,3と三回のトライで
その全てのタイム合計で順位を決めると言う事。しかも1、2は5周の周回
レースで周回方向が変わる、そして3ステージでは2回までの結果により
組み合わせが変更され、15周の周回レースとなるそうだ。では失敗は出来
無いですね、リタイアしたらどうなるのですか? さあ? たぶん終わりだね。
レースは6時スタートまだ一時間程ある、部屋で少し温まっていたら? ハイ
ところで食事は? そういえば昼にサービスエリアで少し食べただけだね。
食事はレースがすべて終わってからだそうだ。ちょっとおなかがすきました。
OK、何か食べるものを探して来るよ...。と厨房へ、すみません、何か少し
おなかの足しになるものは無いですか? チョカレートパンならありますが...
ありがとうございます。ニコラスはパンはあまり好きでは無いのを私は知っている。
今、これしかないので我慢して。いいです、いただきます。
パンや皆さんからの差し入れのお菓子等を食べながら、色々と私にレースの事
を聞いてくる。かなりマジになっているようだ。でも私はレースの進行等何も
知らない。大丈夫皆助けて教えてくれるから心配ないよ。私はアナウンス席の
遠くの方から見守ってあげるから...(笑)
この間立派な雪上コースは念入りに整備がされていた。今年は暖冬の為、
雪が少なく、オーナーと奥様で周りから3日掛かりで雪を運び、この素晴らしい
コースを作り上げられたそうだ。オーナーのイベントに掛ける熱意と努力には
頭が下がります。また、コースコンディション維持の為に、色々な秘策があり、
夜の気温の低下を待ってアイスバーン状態に仕上げるという拘り。なるほど..
だから、この寒さの中ナイトレースと言う事なのだ、納得。この計らいには、私達
は寒いなんか、文句をいってる場合じゃない、と自責した。
5時50分定刻通り、ドライバーズミーティングが始まり、いよいよレースが開始
される事に...今回のMCは、プロのDJ、ズッピーさん(図師)さすがプロ、
素晴らしい語り口調、そしてミユージック、いやが上にも雰囲気が盛り上がる。
組み合わせが掲示されている。掲示板を見て僕はどこかな? 分かりません! そうか、漢字は読めるけどカタカナは読めないか。じゃあニコラスが読めないのが
自分だと思えば良いよ。そうですね(笑) でも二つもありますよ。2クラスに
エントリーされている。少しでも多くの走行の機会を与えようと配慮して頂いた
のだと思う。まあ正真正銘の初心者だし、またニコラスだからニクラスで良いか? とまあしゃれたつもりだが、通じない。説明しようと思ったが、面倒なのでやめた。
まずは、ビギナークラス第1ヒートよりスタートする。日が落ちオーナーの思惑
通り、路面はアイスバーン状、一段とスリッピーとなっている。でも面白い。
レーシング、又バギーの要素、そして豪快なドリフト、多くの要素を含み、様々
なドライビングテクニックを要求される面白い競技だ。また寒さとの戦い、まさに
ラジコンスポーツの世界だ。
綺麗にライトアップされた車は、雪の白さに綺麗に反映され、幻想的にも
見える。
スリッピーなコース勾配、バンク、ジャンプ等トリッキーなコースに各選手果敢に
アタック、そしてニコラス選手登場、初めての日本、初めての雪、初めてのレース
そして初めての車、初物揃いでどんな走りを見せてくれるのか?多くの人の
注目を浴び、緊張と寒さで顔がこわばっている。そしてスタート、結構いきなり
パワーをかけて行く。下り坂のコーナーでスピン、またパイロンに引っ掛けて
スタック。あまり良いとこ無しで1R終了。まあ一応タイムは出ているのでいいか。
レース後、ニコラスはぜんぜんグリップしなかった。そうだよ昼間とは全く路面が
変わっている。人の走行を見て路面の良い所、悪い所を見つけないとダメ!
次はWRCクラス、こちらはパワーも上がりスピードも速くなる。より操縦は困難
となる筈。やはり皆速い、車も変わりニコラスもチャレンジ、皆より多く走れる
機会を貰っているのだから、これを上手く活かせ。
WRCクラスの1ステージ、さっきより少しは上手くなった。また同じ所でスピンを
しなくなった事も良いが、まだコーナーを詰めすぎでパイロンと喧嘩をする。
このクラスになるとゆっくりのんびりではダメ、ある程度のスピードを出して
行かなければ上位には入れない。やはり何度かのミスがあった。
皆どうしてあんな速いのですか? それは当たり前、皆この為に練習をしたり
色々とセッティング等も試しているよ。
車のセッティングは出来ないのですか? それは無理、何故ならば私は全く
分からない、また私の見た所車には殆ど差は無い、オーナーがちゃんと
セッティングをしてくれている。操縦次第でもっと早く走れる筈、今はとにかく
速く走ろうとしてミスが多い。もっと路面を読め、レースだと思うな、これは
非常に良い練習だ! 了解、全力を尽くします。
ビギナー第2ステージ、今度は逆回り、かなり要領をつかんできた。
ミスも少ない、路面の状態もかなり把握出来てきた様だ、他の選手達と
互角に競り合える様になっている。
WRCクラスでもスリップを予測出来る様になり、うまくカウンターで逃げる事が
出来る様になった。このあたりが彼の学習能力かも知れない。
2ステージが終了し、一時集計され結果により組み合わせが変更され最終
第3ステージとなる。
ニコラスはビギナーでは2番手、WRCでは4番手の位置を確保。結果を聞いて
自分でもびっくり、3ステージは15周の長丁場、タイム差は大きく出るので逆転
のチャンスはありますね? そうだね、それにはノーミスが絶対条件。そして
今すでにもうタイムのハンディを持っているので、速く走らなければならないよ。
そしていよいよ最終のファイナルステージ、昨夜シンガポールを発ち2時間しか
寝られなく、寒さと空腹でかなり弱っていた、ニコラスの目が輝いて来た。
そしてスタート、いきなり おやっと思う見違える様な走りを始めた、なんだこいつ
なんかあったのか? と思う様にほぼ完璧とも言える走行を見せる。
もうほぼマスターしてしまった様に思えた。2位以下をどんどんと引き離し、独走
状態。2ラウンドまでどれだけのタイム差があったか知らないが、まず問題なく
ひっくり返しただろう。レース後本人も自覚出来たのだろう、あのニコラススマイル
を見せた。たぶん私は今後このスマイルの為に努力をする事だろう。
最後は今回のメインイベントWRCクラスのファイナルステージ、DJズッピーさん
の名調子で雰囲気は最高潮、私はと言えばレース中ズッピーさんの隣で
合いの手を入れているだけ。ニコラスカーは一切手は触れていない。皆さんが
色々と助けて下さっている事は想像出来る。ここでは最下位(4番手)の
スタート、このステージに上がれただけで上出来。しかしベテラン勢を相手に
上位を狙える訳は無い。まともに戦って勝てる相手では無い事はニコラスも
承知、でも挑戦します!
スタート、さすがトップスタートのディフェンディングチャンピオン、安定した素晴
らしいスピードでどんどん後続を引き離して行く、しかしニコラスは2番手争い
で対等に戦っている。見た目には一歩も引けを取っていない。彼の作戦は
勿論ノーミス、このコースをノーミスで走行させる事は至難の業、しかしマシンを
巧みに操り果敢に攻めていく。一度のスタックはあったもののほぼ完璧にこなし
レース終了。2位でゴール、タイム差が分からない為に総合順位は分からない
が本人は満足出来ただろう。やはりスマイルで操縦台をおりた。
寒かったけど本当に面白かった。良い勉強になりました。また機会があれば
挑戦してみたいです。なんでこんな面白いのにもっと人が来ないのですか?
さあ〜皆寒いのが嫌いなんじゃないかな?(笑)
かくして結果はビギナー優勝、WRC2位、と予想もしなかった良い結果に
ニコラスも上機嫌、レース後は皆で鍋を囲んで団欒、R/C談義に花が咲く。
ニコラスは言葉の差で話に入れないのが少し可哀想。早く日本語を勉強して
皆と談話が出来る様にならないと...ね。
今日は疲れたので寝ていいですか? そうゴメンゴメン、子供は早く寝なさい。
あしたは9時朝食。おやすみ〜。
R/C談義は果てしなく続く、午前2時オーナーよりドクターストップがかかる。
そういえば私も今朝は3時に起き、群馬→成田→長野と500km以上の
ドライブ、ほぼ24時間耐久レース、気が付けばベッドの上で仮死状態だった。
翌朝8時30分聞きなれた目覚まし音で目覚める、まず一番にする事は、
今自分が何処にいるのか?を把握する事である。これに数分かかる。
外が何か明るい、窓から外を見ると一面の雪景色、あれっ昨日はこんなに
雪があったかな? 朝食のアナウンス、いそいで食堂へ皆さんお揃いで...
いただきます。 皆さん昨夜の疲れも見えずさわやかな笑顔、なにやら
話題は雪? ひょっとして? 嫌な予感が...
恐る恐る表を偵察に行くと一面の雪景色、私の愛車も雪に埋もれて姿が
見えない。 これは一大事、ニコラスは? 子供達ときゃっきゃっと雪合戦。
ヘルプミー! 子供達が英語をしゃべっている! 親もびっくり。子供達には
言葉の壁等無い、すっかり打ち解けている。
皆がチエーンを付け始めたのをみて、皆なにしているのですか?
タイヤウオーマーですか? あのね〜雪の上は普通のタイヤではスリップして
走れないの、だからこの様にしてチエーンを取り付けるの。ふーん面白いですね。
面白く無いよ! こっちは帰れるかどうか、心配しているのに...
ラジコンにもこんなの付ければもっとグリップするのでは無いですか? そうかな?
面白いね。また一度やってみようか?
雪の経験の無い私に皆さんが手伝って、というよりすべて準備をしてもらい
何とか帰宅準備が完了し。次の寄港地名古屋い、向って出発。
短い期間だったが本当に楽しい一日でした。ニコラスにとっても珍しい事ばかり
できっといい思い出になると思います。
このイベントに執念とも思える意気込みで素晴らしい企画、準備、運営を
された大高オーナー、そしてそれを影でしっかりと支えられた、奥様達、また
皆で大会を盛り上げようと努力された参加者の皆さん。そしてあの寒さの中
素晴らしいトークで大会を盛り上げられた、DJズッピーさん達に心から敬意
を評します。私自身一イベント主催者として皆さんのご苦労は本当に良く
理解出来ます。この様な楽しいイベントが末永く続けて行かれる事を願って
おります。
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素晴らしいスノーコースが完成。
早速テストラン。走らせられるかな〜? それより君操縦台までたどり着ける
のか? この靴グリップしませんね。(笑)
レース前の撮影会。もう完全にマニア化している。
いよいよ、レースはスタート。
スピード、ジャンプ、ギャップ、ドリフト、多くの要素を含んだ競技。
寒さも忘れ、真剣な眼差しで挑戦。
予想外の好結果にニコラス君上機嫌。
子供相手に雪合戦、相は子供なんだからマジになるなよ!
こちらも予想外の大雪、帰れるかな?
たのしかったです。また来たいです! ありがとうございました。
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2007/03/18 ニコラス選手のその後
3月11日 雪の経験の少ない私達に皆さんのヘルプがありチェーンを装着し
無事雪の長野を脱出し一路名古屋へ。
名古屋では彼の希望の衣装(Tシャツやジーンズ)のショップを探索。非常に
興味をしめして物色していたが、価格が...私達にはかなり安いと思えるが
彼等に取っては高嶺の花、高いですね〜、何かよいものがあればプレゼントして
あげるよ。 いやいいです、自分で買います。結局彼は何も買うことが出来
なかった。じゃ今度は中国で買い物をしよう。同じ様なものがたぶん1/10
位で買えると思うよ。私が今はいているジーンズは中国で¥100位だよ。
はい、もう3回も同じ事を聞きました。(笑)
明日は京商本社を訪問、そして雑誌社の取材を受ける事になっている。
出発は早いので早く寝よう。
3月12日 6時半出発いきなり通勤ラッシュで渋滞、これはまずい遅刻しそう。
でも私の愛車はスピードは出せない、これはもうノンストップ作戦。
来日早々寒いところ、またもう1200km以上の旅をしているニコラスは、かなり
疲れている様子、もう仮死状態。話しかけても上の空、まあしょうがないか。
途中富士山がとても綺麗に見えた。昨日の雪で本当に綺麗。
富士山をみるのをとても楽しみにしていたニコラスだが声を掛けると慌てて写真
を取るが直ぐに爆睡...たぶんあとで写真を見ても覚えていないだろう。
素晴らしい富士山が...ニコラスはとなりで爆睡。
予定より遅れて京商本社に到着、早速雑誌の取材、勿論これも初めてなので
要領を得ない。でも何とかこなし、午後からはまた別の取材、スター並みの扱い
に、戸惑いが...そして会長、社長をはじめ皆さんにご挨拶。
まだこれで終わりじゃないよ、明日また別の取材があるよ! えっまだですか?
今日はまた疲れただろうから早く寝よう。
それにしてもパパは強いですね! 当たり前だよ、こんな生活をもう30年以上
続けているよ。タフでないとこの仕事は出来ないよ。
3月13日 今日も再び京商へ、午前中に今後の打ち合わせ、午後よりまた
取材。社内を案内してもらい、再びびっくり。すごいですね〜。いろいろな人と
会い、僕名前を覚えられません。いいよそのうちに皆覚える様になるよ。
しかし、一生懸命名前を覚えようとする。あの一緒に食事をした時に向えの
左に座っていた人は、**さんでしたね? えっ? そんな事私に聞かれても
だれが何処に座っていたかも覚えていない〜。
3月14日 9時出発東京へ...
今日は、これからいろいろとお世話になるKOプロポへご挨拶、そして秋葉原
にて、明日からのテストの為にタイヤや必要な器材をそろえる。
お店にいってまず品数の多さにびっくり、すごいですね〜。まずタイヤ、20セット
位あれば良いかな? そんなに買うんですか? そらそうだろ、タイヤが無ければ
テストも何も出来ないだろ。僕は一日に1〜2セット位しか使いません。
ふつうはそうかも知れないけれど、重要なテストにはやはり新品が必要だよ。
無駄なものは買わないけれど必要なものは、ふんだんに使う、これがワークス
なんだ。心配しなくてもちゃんと予算は貰っているから...君の所へは、
請求書 は行かないから。(笑)
何かほかに必要なものがあれば買えばいいよ。グラステープとスプレーを買っても
いいですか? それだけ? はい、あとボディも欲しいです。OK!
今日は、準備の為私の家に泊まり明日からの準備、そして何よりこれから一番
重要?となる”ママ”の洗礼を受ける事。この難関を突破しなければ、今後の
我々は継続出来ない。そんなに怖いのですか? まあ合ってみれば分かるよ。
通常なら日本の家庭料理だが、好みが分からない為に今回は、回転寿司で。
かくして我が家に到着、ようこそ日本、廣坂家へ。そしていきなりあんたの
部屋 は、ここ、ベッドは無し、畳にフトン、洗面所はここ、風呂は...と
説明。
勿論すべて日本語、あの〜彼は日本語は分からないんですが〜。
大丈夫分かるよね? ねっ。 はあ〜? はい!
OK荷物の整理がついたら、食事にレッツゴー! 部屋に飾ってある正美の
写真にうっとりと見とれていると、あんたも早くここに写真を飾って貰える様に
ならんとあかんよ。これは理解出来た様だ。
そして回転寿司へ、普通は日本人は最低でも15皿は食べる。あんたのノルマ
は最低15皿だよ。なぜか詳しく通訳をしなくても不思議と通じるが面白い。
シンガポールでも同じ様な回転寿司があるそうな。結構早いペースでどんどんと
食べる。でも選択が面白い。寿司の途中でアイスクリーム等のデザートが入る。
結局は16皿をぺろりと。これは合格。あんたはこれから色々な国を回るのだから
好き嫌いを言っている場合じゃないよ。 はい!
帰りはマーケットにより明日の朝食を自分で選びなさい。と近くのスパーへ
ママ用の車椅子を出して、私がカゴを取りに行っている間にニコラスは車を押し
二人で勝手に行きだしたのには、少しびっくりした。
結構意気投合したみたいなので、そのままほおっておいた。いうtも買い物の時
は息子達が椅子を押すので、同じ様に思ったのかも知れない。
荷物の整理をして早く寝ただろうと思ったママは、ちょっと軟弱そうだけど、
おとなしい、いい子だね。
いよいよ、明日からはやっと谷田部アリーナにてテストを開始する。
とりあえずはノルマは達成!
3月15日 今日からやっと谷田部アリーナにて本格的なテスト及び練習を
開始する。 朝8時半自宅を出発、高速までの約15分間、もうすでに彼は
熟睡状態...このあたりもどこかのチャンピオンとそっくり。
11時過ぎコースに到着。さっそく準備に入るがグリップは非常に悪そうだ。
まずは、先日のTITCの状態のままで走行をする事に、スプールが付いている
たぶんグリップが悪い為にこの方が走りやすいだろう。
走行を開始するとやはり予想通り最悪の路面コンディション。これでは
セッティングどころでは無い、まず暫くはこのまま走行を続け、路面の状態が
良くなるのを待とう。しかし今日はオフロードの走行も多く、またツーリングが
少ない為になかなか路面は良くならない。しかし時間と共に少しずつ路面は
良くなって来た。まず最初にワンウエイをテストしよう。ここでは海外の多くの
選手がスプールに挑戦するが結局最後はワンウエイとなってしまう。
ニコラスは殆どワンウエイの経験が無い。車のセットもドライビングも全く変わって
しまう、しかしまずそのままのセットでワンウエイのみ取り付けてその差を見よう
たぶんものすごいオーバーステアーになると思うよ。十分に気を付ける様に!
走行開始、コーナーでいきなりスピン、真っ直ぐ走行出来ず酔っ払い状態。
ストップ! これは非常に危険、このまま走行を続けると車を壊してしまう。
すこし車のセットを変えよう。リアのスプリングを一番柔らかいものにして、スタビ
を取り外す。フロントも3段階柔らかく尚且つ2穴寝かせる。これで少しは走行
しやすくなる筈。スプールの様な急激なブレーキは使えないよ。
今度は少しは良くなったが、ステアリング感覚が非常にシビアーで操縦が大変
な様子。ラインが全く決まらない。難しいです! そうそれとこのコースはラインを
少しでも外すと、タイヤにホコリが付き、暫くはグリップしなくなってしまう為に、
正確なライン取りを要求される。
少しずつセットを変えながらワンウエイ走行に慣れる事、しかし相対的にグリップ
が低い状態では、殆どセッティングの効果が出て来ない。今日はもう仕方無い
為に走行練習を中心にしよう。明日はどこか他のコースに変更しようか?
でも僕はここでやりたいです。そうか? じゃここで明日ももう一度挑戦して
みよう、たぶん今日よりは少しは良くなると思うよ。
今日は6分走行で15パックを消化、1時間2回走行、まあこんなもんで良い
だろう。今日の食事は? ファミレスへ行こう。
そうそうに引き上げ、ホテルへ...日本のホテルは寒いですねえ〜 ホテルが
寒いのでは無く日本が寒いんだよ。通常はもっと暖かい筈なんだが今週は
特別寒いよ。だから日本人は風呂にゆっくりと浸かって温まるんだ。 へえ〜
3月16日 11時再び谷田部アリーナへ、今日は少しはグリップが良いかな?
例によってまずはコースの状態を知るために、軽く走行まだ誰も走行していない
為にかなりグリップは低いと思うよ。走行を開始した途端、??? 何これ?
いきなりハイサイド転倒! どうなってんの? めちゃグリップ。朝何か路面に
トラクション剤がまかれた様だ、レース路面に近いグリップ、ちょっと信じられない
光景。これは面白い、すぐに走行を止めセッティングに取り掛かる。
これだけグリップが上がると前後のスプリングはもう少し硬くする。そして車高も
低くセット、たぶんこれでもコーナーでは浮き上がるだろう。またパイロンに少し
でも乗り上げるとすぐに転倒してしまう。この状態でもコーナーで浮き上がり
ハイサイド寸前、非常にコントロールが難しい。次はハイサイド対策をする。
ハイサイドはフロントタイヤの外側がグリップして起きると考えている、その為に
フロントに約1度のスキッドを付ける、そしてキャンバーを少しネガティブを強く
する、そして一番大事なな事はフロントのトラクション剤を全部塗らない様に
する事である。まずは内側半分でやって見よう。
今度は見違える様に安定して走行する。すごく走りやすくなりました。ただ
ストレートが真っ直ぐに走行しづらいです。そうワンウエイではどうしても直線
の安定性が悪くなる、これを解決しようとすると車が曲がらなくなってしまう。
もう少しは良くなると思うが、ある程度はテクニックでカバーしないとダメ。
かなりワンウエイにも慣れ、少しはらしくなってきたが、まだまだラインが安定
しない。一度スプールを試してみたいのですが...いいよ海外選手は皆
そう言うよ。いちど自分で違いをはっきりと確認しておくのも良いだろう。
スプールで一番良いと思われるセットに変更して試走。見た目には非常に
パワフルで速く見えるがやはりタイムが出ない。走行後とても走行させ安い
タイムは? 平均で0.3秒位遅いよ。そうですかあ〜速く感じたのだけど...
そうやはりコーナーでの転がりが違う、ここではやはりワンウエイをマスターしないと
ダメだよ。 車のセットも色々と行い、だいたい良い所までもってこれたと思う。
今日の仕上げは、フロントのトラクションの塗り幅の違いを体感する事。
ますは、半分から1/3、3/4と変化させ、この違いがどの程度のものか?
知ること。 ものすごく変わるものですね。との感想。そうレースでは凡そのセット
が決まれば、細かい微調整はこれで出来る、大変大事なセッティングだよ。
次の機会には、盲目テストで私がセットした塗り幅を当てる練習をしてみよう。
3月17日 いよいよ長かった?今回のツアーも最終日、今日は夜7時の
飛行機に乗らなければならない為に、空港までの時間を考えると2時には終了
しなければならない。テストもほぼ一通り出来た為に、今日は走行練習を
中心としよう。まだまだラインも甘く安定しない。ラップもあと0.5秒位上げない とレースでは通用しない。そんなにみんな速いのですか? そう、このコースは
路面の状態や色々なトリッキーな部分がいっぱいあり、いろいろな面で非常に
難しいコースなんだ。今年の全日本選手権に、もしチャンスがあれば挑戦して
みると良いよ。 はい、是非チャレンジしてみたいです。
では、今回はこれですべて終了。空港へ急ごう!