廣坂 物語 
 History of the Hirosaka family and Masami.


 廣坂 正明 及び 正美 の生い立ち、歴史を記録します。

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   Vol−76

  1997年 オフロード世界選手権 3



  

  















 
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MX−4 プロトの詳細の説明。    注: 翻訳では無い。


  
メインシャーシは、3mm厚のカーボン。 
  バッテリーは、4−2の振り分けをベースとし、前後に移動してバランスを
  取る事が出来る。 スロットは6セル分ある為に、5−1や6−0も選択
  する事が可能。
  上側のプレートもスロットにする事でバッテリーをしっかりと保持してジャンプ
  等でバッテリーが飛び出さない様に考えた。
  


  駆動部 一番苦労した箇所。

  センターベルトを出来るだけ中心に寄せ、またモーターも中へ寄せ、全体を
  コンパクトにすることが目標。 フロントベルトをモーターのベアリングの外に
  通す事で全体の幅を狭く。コンパクトに出来た。

  バルクヘッドは成型では無い為に、ジュラコンのNC加工とした。
  ベルトはフロントが3mmリアは4mmを採用。
  

  モーターマウントとバルクヘッドをアッパーデッキで固定、ショックタワーのベース
  にもなる。
  

  Iアームは、チタン製。 ダンパーはアソシを使用。
  フロントダンパーは、ショックタワーの後ろ側に取り付け。 これは転倒した
  時にダンパーのビスが路面にささりショックタワーが折れるのを防ぐ。
  また、ショックタワーは出来るだけ小さくして風の抵抗を少なくする。
  

  ユニバーサルjは、MIPにお願いしてオリジナルを製作、この形式はMIPの
  特許で角度が大きく取れ、ロスが少ない為にオフには大変有効だ。
  従来に比べ大変長く、また軽量の為アルミでお願いしたが、始めての為に
  強度に不安があるとの事で、かなりのテストを繰り返した。 そして金色に
  お願いした。
  

  アームの長さを確保する為に、ホイールのオフセットを出来る限り大きくした。
  その為に、大径の薄型ハブを製作し、ホイールはビス止めとした。
  レース用ハブはマグネシウムを使用。 
  ハブキャリアとステアリングブロックは成型が完了。かなりの強化タイプと
  した。 ベアリングは6mmを使用。
  
  

  センター部はかなり細身で足の長さが目立つ。 バネ下はかなり軽い。


  ロングスパンのリアーサスアーム、リアーハブキャリアは成型品。 サスマウントは
  アソシのB3用を流用。
  

  リア Iアームの取り付け位置も6箇所選定。
  

  ホイールは、ブレを少なくする為に大径ハブを使用、ホイールも軽量。
  

  ボディもニューデザイン。 アンダーカバーでリアーのバルクヘッドカバーを
  兼ねる。
  

  スピードコントローラーは、M STAR ”M”は、MASAMIのM。
  


  以上の様な仕様でレース用プロトタイプとしては、かなりの完成度が高い
  マシンとなった。 勿論プロダクションモデルは成型を含めかなりのモディファイ
  が必要となる。

  今回のMX−4は、いわゆる消去法とも言える形態で、以前のマシンの
  不満点を洗い出し、それに対処出来るニューパーツをテストを繰り返し
  決定していった。 パーフェクトでは無いが、かなりのところまでは持って行く
  事が出来たと自負している。 勝敗は様々な要因で左右される為に絶対
  はあり得ないが、かなりの勝算はあった。

  特に今回は現地で十分なテストが出来た為に、コースにマッチした仕様に
  する事が出来た。 勿論世界選手権では。レイアウト等は直前に変更され
  事前に誰も走行する事は出来ないが、路面は殆ど同じでジャンプやコース
  レイアウトの特徴は、設計者が同じであれば、かなり似るもので、またコース
  レイアウトは事前に発表される為に、そのものは体験出来なくても、イメージ
  をして練習する事が出来る。
  トップドライバーはそれ位の事はやってのける。 

  通常正美等は始めてのコースでも2、3周走行すれば、ほぼコースの状態を
  把握出来るという。そして1パック程度走行すれば、殆どベスト位で走行
  する。


  
世界選手権でのエピソード。




  今回の主役はやはりママ。 ママは障害で足が悪い為に長い距離を歩くこと
  が出来ず、普段は車椅子を使用している。 正美が一緒の時は正美が
  車椅子を押す。ママがコースに来ない理由の一つは正美が大変に気を遣い
  レースに集中出来なくなるからと言う。

  今回の食事係りのママは、ミユキのサポートを受け、買い物等をするが、
  ミユキは、レースのサポートもしなければならず、ママにはついていられない。
  そこでママは自分でマーケットのカートに持たれながら隣のマーケットに
  買出しにいくが、勿論英語は話せない。そこで毎日失敗ばかり...

  買い物をして、レジへ行くが金額が分からない。そこで財布を出してそこから
  取ってもらおうとしたが、お金が足らない。 その場で次々と返品して終了。

  そしてカートをホテルまで持って帰ってくる。 マイカートと自慢する。3日も
  経つとマーケットでも有名人。 皆が助けてくれるとのこと、ミユキもびっくり。

  毎日、朝食、そして昼には、おにぎりを作ってミユキがコースまで運搬。
  最初は極一部だけだが、外国選手もおにぎりを欲しがり、日に日に数が増え
  最終的には20人前位を作る事となった。

  また、夕食にもどんどんと人が増えて、さながらレストランの様になった。
  毎日ホテルの庭で、パーティのような事態となる。 海外選手にはカレー
  ライスが好評の様だ。 もうお馴染みの選手達は、ママにビールの差し入れ
  を持ってくる。

  バンケットでは一番の人気者となる。



 
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  世界選手権終了後、今回はプロトマシンをすべて回収。 これはあくまで
 今回の世界選手権用で、殆どが手作りで量産タイプでは無い為に、予備
 パーツも少なく、今後のレースでの使用も難しくなる為に、量産品が発売
 されるまでは使用しない事とした。
 過去にもアソシ等でもプロトは基本的に回収される事が多かった。

 帰りにはアソシ社に立ちより、今後の打ち合わせ、そして次のレースでの1/12
 のマシンのパーツ、モーター等を依頼。

 帰国後は再度テストをしてMX−4のプロダクションモデルの設計を開始するが
 こちらは成型品を多用する為に、かなり仕様が変わる事が良そうされる。
 その為に私はプロトのままの状態でのマシンの販売を、レプリカとして限定
 販売をする事を提案した。



   Vol−77 へ つづく...